拒食症、過食症は承認欲求が歪んで表面化した病気
摂食障害という心の病があります。
ほぼ食べることをしなくなってしまう拒食症。
異常に食べ物を食べてしまう過食症。
摂食障害は、これらの症状の総称です。
摂食障害のリスク
摂食障害は女性に多い病気で、拒食や過食の悩みでカウンセリングに来られる方の大半が女性です。
拒食症は、ほぼ食事をとらない状態ですし、過食症の人も、食べた後吐くケースが多いので、栄養摂取という観点から見た場合でも、健康を損なう病気です。
また、精神面の不安定さ、内臓の損傷にも繋がります。
拒食症と過食症のことを摂食障害といい、2つの症状は、一見食べない、食べ過ぎるといった全く別の行動をとっているように思えますが、摂食障害のベースは拒食症にあることが多いです。
まずは、表面上は痩せたいという理由で、食べないということをはじめ、そのまま食べずにいるケースもあれば、食べることを我慢している反動で、過食が起こる人もいます。
過食になる人の中にも、過食と拒食を繰り返す人もいれば、一度過食になってからは、基本的には過食のまま続く人もいます。
摂食障害の原因
摂食障害の人は、ダイエット目的だとを言われることも多いのですが、本当はそんな単純な動機ではなく、大きなストレスとストレスに関係する親子の関係が、症状の背景に隠れています。
摂食障害は、人から受け入れられたいという承認欲求が歪んで表れた状態です。
そして、その承認欲求の本質的な対象者は両親です。
親に認められたい、受け入れられたいという思いが、幼少期から十分に満たされていないまま成長し、思春期あたりを基準に『痩せている人がきれい』だという世間の偏った評価の影響を受け、痩せれば受け入れられるという間違った認知の形成から摂食障害が始まるのです。
摂食障害に対するカウンセリングの内容
摂食障害の克服を目指すカウンセリングは、まずはご本人やご家族のお話を聴かせていただくところから始まります。
カウンセリングでは、拒食や過食行為についてだけでなく、今の心境、学校や仕事のこと、恋愛のこと、親子関係など、心の中で気になっていること、わだかまりとして残っていることを話して下さい。
カウンセラーはもちろん、ご本人にも摂食障害と心の状態の関係性を理解することがカウンセリングで最初に行うことです。
摂食障害の改善には病気への理解が必要
拒食症の人も過食症の人も、カウンセリングの中で最初からたくさん話すことは難しいと感じる場合が多いようですが、自分のペースで話をしていただいて構いません。
あなたが話せそうなこと、話したいことをお聴きしながら克服に向けてカウンセリングを進めていきます。
摂食障害が、思春期くらいから発症するケースが多いのは、まだ心が未熟だからこそ生じる心の病であると言えます。
そのため、カウンセリングが進む中では、摂食障害に関する知識の提供、アドバイスにも力を入れていきます。
拒食症や過食症への理解が進むことで克服へと近づきます。
ちなみに人間の脳は、食欲や感情の働きが生じる場所の発達は幼少期にある程度は進んでいますが、欲求や感情の抑制を行う前頭前野の発達がある程度整うのは25歳くらいと言われています。
これが、多くの心の病が思春期から成人までにかけて発症する理由の1つでもあります。
もしかしたら自分は摂食障害かもしれないという方は、改善にカウンセリングを活用して下さい。
カウンセリングの中で摂食障害への理解を深め、それと同時に拒食や過食という行動を変えるための取り組みを進めていきましょう。
お子様が摂食障害だという方へ
摂食障害は、思春期以降の女性が陥りやすい心の問題であり、中学生や高校生で発症する人も少なくありません。
お子様が摂食障害である場合、カウンセリングを進めても受けようとしないことも多々あります。
そんな時は、まずご家族の方からでもカウンセリングにお越し下さい。
摂食障害は親子関係が影響も強いので、まず親御様がカウンセリングを受けて現状を整理し、知識を高めてお子様と向き合うことも改善の始まりです。
親が正しい知識を得ることによって子供との関わり方が変わることがありますが、
これは改善を促進する条件の1つです。
親子関係が影響していると考えると、自分が悪かったのではと思われる方もおられるかもしれませんが、カウンセリングでは誰が悪いかを考える場ではなく、摂食障害の当事者だけでなく、ご家族のサポートも目的としています。
摂食障害は、孤独感や愛情への飢えが影響していることも多いので、摂食障害で悩む方のためにカウンセラーもご家族も一つのチームとなって取り組んでいければと考えておりますので、お子様がカウンセリングを希望されない場合は、ご両親からでも構いませんのでカウンセリングに起こし下さい。
摂食障害のチェックテスト
当てはまる項目がないかチェックしてみて下さい。
○分かっているけど食べられない、食べ過ぎてしまう
○食べ過ぎた後、太る恐怖から食べた物を吐いている
○最初はダイエットがきっかけで食べることを制限し始めた
○いくら体重が減っても、まだ太っていると感じてしまう
○ダイエットのことと食べることばかり考えている
○ストレスを感じた時に苦しくなるほど食べてしまう
テストの結果はいかがでしたか?
該当するものが1つでもあれば摂食障害の可能性があります。
自分では摂食障害ではないと思っても、摂食障害の人は自分が拒食症や過食症で
あることを強く否定するというのも特徴の1つなので、該当する箇所があれば
一度カウンセラーご相談下さい。