恋愛関係の中で生じるモラルハラスメント
恋愛をしていて付き合い始めたら相手の態度が変わりストレスを感じるようになったという方、本当にこの人と付き合っていても良いのか不安になっているという方はこの記事を読んで下さい。
もしかしたら、あなたはパートナーからモラルハラスメントを受けているかも知れません。
モラルハラスメントは、モラハラと略して使っている人が多い言葉ですが、その意味は“倫理や道徳に反した嫌がらせ”です。
恋愛関係におけるモラハラとは、相手に対する侮辱的、威圧的な言動、嫉妬や束縛、無理な要求などがあります。
カウンセリングでは恋愛関係で生じるモラハラの相談は良くありますが、パートナーからのモラハラに悩んで相談に来る人、2人で一緒に相談に来る人、パートナーから自分の行為がモラハラだと指摘されて相談に来る人の3パターンに分かれます。
上記の中で、パートナーからのモラハラに悩んで相談に来る人の中には、相手からモラハラ行為が繰り返されているのに、相手に嫌われたくない、別れることになったら嫌だという気持ちからモラハラを受け続けている人がいます。
今回の記事は、そんな人に読んで頂きたい内容です。
モラハラ彼氏と別れられない人がいる
モラハラを受けているという話を聴いたら、相手の男性と別れた方が良いのにと感じることもありますが、モラハラをする彼氏と別れることができない女性もいます。
その背景には、下記のような恋愛の経過がある場合が多いです。
付き合う前は「きれい」、「かわいい」ということをたくさん言ってくれたり、プレゼントもしてくれていたのに付き合い始めると、それらをしなくなったというような程度ではなく、罵声を浴びせてきたり、思いやりの無い態度で接してくる、
ひどい場合は暴力まで振るうという程に豹変するということで悩んでいる女性がいます。
このような状態になると、女性は当然理由がわからなくなります。
そして、「自分が何か悪かったのかな」、「何をしてあげればいいのだとう」、「私はダメな女だ」と自己価値を低下させてしまいます。
そんな中、他人には女性のことを自慢の彼女だと言っていたり、時々優しい言葉を掛けてくれたり、プレゼントをしてくれたりすると、やっぱり優しいんだと思ってしまいます。
しかし、また豹変した態度でひどい扱いを受け、また優しくされるというようなことが繰り返されてしまうのです。
こんなことが続いているうちに、そんな彼でも別れるという決断は出来なくなり、ダメな自分が頑張らないとと思って、相手に尽くすようになってしまうのです。
冷静になって考えれば、どう考えても理不尽で不当な扱いを受けているのに・・・。
モラハラの背景にある人格障害という問題
付き合い始めたら急にモラハラが始まるケースは、相手が人格障害の可能性があることも少なくありません。
人格障害の人は、基本的に自己価値が低いため、自分だけでなく他人が見てもきれい、かわいいと感じる女性と付き合い、そのことで自己価値を高く感じようとします。
そして、そのために付き合う前には一生懸命アプローチをします。
その結果付き合うようになったら、ある日を境い急に態度が変わり、相手の人権をないがしろにするモラルハラスメントを始めるのです。
社会性の高い人でもモラハラに悩まされている
モラハラを受けて悩んでいる女性の中には、社会性が高く仕事などでも周囲から頼りにされている人もおられます。
本来なら、自尊心の低い男性はそんな女性に対して気後れをしてしまうのですが、人格障害の人は、本質的には自尊心が低くても女性に対して大胆にアプローチが
できる一面も持っているので恋愛に発展することがあるのです。
自分が付き合った女性が社会性があり賢明な人であれば嬉しいと思うのですが、モラハラをする男性はそのような女性が近くに居ると自分がみじめになるために、その人を批判したり、罵声を浴びせたりして自己価値を下げようとします。
なぜなら、人間は自尊心が低下した上に心が不健康になると、他人を否定することによって自分の自尊心を上げようとする一面があり、人格障害の人はそのような行動を取る傾向が強いのです。
社会性の高い女性ほど思慮深さもあるので、モラハラを受けていても分かれる決断をするまでに時間が掛かり、悩んでいる間に男性から優しく接してもらったり、楽しい時間を過ごしたりするともう少し頑張ってみようと別れる機会を逃してしまうことがあるようです。
モラハラ彼氏と別れる決意をするカウンセリング
男性からのモラハラに悩んでカウンセリングに来られている女性の多くは、心の中では別れた方が良いのではないか考えておられます。
その選択肢が全くない状態でカウンセリングの予約をする人は稀です。
しかし、最終的に分かれるという決断をすることは簡単ではないため、自分を納得させる為にカウンセラーと話をしているのです。
なぜなら、モラハラをする男性と別れる決断をするのに下記のような心のブレーキが掛かることが多いからです。
- モラハラをする男性なので、別れた後に何をしてくるか考えると怖い
- 別れることは相手のことを好きになり信頼した自分を否定する気持ちになる
- 相手はいつか変わってくれるのではないかと期待してしまう
自分の気持ちは、ほぼ別れた方が良いという方向に気持ちは向いていても、上記のようなことを考えると決断ができないという方が、別れるという決断をするためには、自分の心を整理して納得しなければなりません。
カウンセリングでは、安易に分かれることを進めるわけでもなく、当然ですが彼氏のことを安易に人格障害だと決めつけることもなく、ただ相談に来られた女性が話す事実を聴き、それに対する気持ちに整理を手伝っていきます。
しっかりと話を聴いた上でカウンセラーとしての見解もお伝えすることはありますが、最終的な判断はご本人に行って頂きます。
それは、難しい決断だからこそ自分で行わないと、また同じような恋愛を繰り返してしまう可能性があるからです。
自分の思いとしっかりと向き合って出した決断は、その人が思考力を高める経験であり、自尊心を高める成功体験でもあるので、カウンセリングという機会を恋愛の悩みを経て成長する時間として使って頂ければと思っております。