虚言癖を改善したいという相談が増えている
2013年ごろから虚言癖を持っている方からの相談が増えています。
このページもよく読んで頂いているようで、『もう嘘をつくことを止めたい』と思っている方が多いということを感じます。
虚言癖は、嘘をつくことが癖になっていて、止めたいと思っているけど嘘をつくことを止められない状態のことを言います。
虚言癖の人は、そんな嘘をついても仕方がないのにと、あとで後悔するような嘘をつくこともあり、嘘をついた後に空しい気持ちになっていることも少なくありません。
時々、必要性を感じた時だけ自覚をもって嘘をつくが、嘘をつく理由がはっきりしていて、嘘をつかない選択をしようと思えばできるという人は虚言癖ではありません。
すぐに嘘をついてしまって、その嘘が自分の不都合なことを隠したり、自分を大きく見せたり、利益を得るためのもので、嘘をついたことを隠すためにさらに嘘をついているようなことを日々行っているのであれば、虚言癖であると言えます。
虚をつくことを止めることはできるのか
カウンセリングには、嘘をつくことを止めたい方、子供が嘘をつくのを止めさせたいという相談に来られる方がおられます。
嘘をついたことは、多少は誰しもあると思うのですが、嘘によって人間関係が悪くなったり、人に迷惑を掛けてしまう、信頼を失ってしまうことにもなりかねません。
なぜ、人は嘘をつくのか?
では、なぜ人が嘘をつくのかというと、嘘をつく目的があるからです。
それは・・・。
・嘘をつくことで何らかの利益を得ることができる
・嘘をつくことで何らかの不利益を回避することができる
という2つの目的です。
得られる利益は、お金、物、他人からの関心や賞賛など、物質的なものから心理的なものまでさまざまです。
回避できる不利益は、お金や物を失うこと、信頼を失うこと、叱責を受けることなど、他人からの望ましくない要求などです。
虚言癖の人の話を聴いていると、無自覚の自己防衛として嘘をついているということが分かります。
その上で、過去に嘘をついてきたことで得たメリットも覚えていて、そのメリットを得たいがために嘘をついてしまうのです。
嘘のメリット
虚言癖の人は、過去に嘘をついた時に相手が驚いてくれたり、自分の話に関心を持ってくれたことを心が覚えていて、その嘘は後でバレることがあるとわかっていたり、嘘をついた後に空しくなるとわかっていても、相手の驚きや関心という一瞬のメリットのために嘘をついてしまうのです。
普段から自分に自信がなく、人と比較してみじめな気持ちになってしまっている心の状態を誤魔化してくれるのが嘘をつくということで得られるメリットであるため、嘘がやめられないのです。
虚言癖の人がつく嘘の特徴
虚言癖の人は、嘘をついている時は、自分が嘘をつく動機や必要性への自覚が弱く、呼吸をするかのように日常的に嘘をついてしまいます。
嘘をつく際に、悪気がない場合でも結果的に人を傷つけたり、困らせてしまう嘘をついてしまいます。
また、嘘を重ねていく上で、つじつまが合わなくない嘘をつくことが多く、言っていることに矛盾が生じても嘘を重ねています。
嘘は自分の人生をダメにする
利益を得るため、不利益を避けるためだからといって嘘を言ってはいけないのは、嘘をついて利益を得たり、不利益を避けている背景には、それによって別の誰かが利益を得る機会を失ったり、不利益をこうむることになってしまうからです。
嘘は、たわいもなく冗談として笑える嘘、他人のためになる嘘というのもありますが、人間が嘘をついていしまう動機が利益を得たり、不利益をさけるというケースが多い以上、嘘をつこうと考えている背景には迷惑をこうむる人が出る可能性が高いのです。
嘘をつくことは、他人に迷惑を掛けたり、がっかりさせてしまうことにつがなることが多いので、人間関係が壊れ、社会からの信用も失う、最終的には財産も失うようなことになりかねません。
カウンセリングを受けてでも嘘をつくことを止めようとしている方は、嘘をついたことを懲りるような出来事があったのだと思います。
その気持ちを持っておられるうちに嘘をつく癖を治していくことが望ましいと言えます。
虚とパーソナリティの問題
虚言癖と言っても人によって嘘の内容や目的には違いがあります。
大まかな特徴は上記に書いてある通りですが、虚言癖の背景にはさまざまな心の問題が存在しているので、嘘の背景にはどのような心の問題があるのか説明したいと思います。
虚偽性障害、作為症
これは、他人からの関心や同情を向けられるために、自分が病気だと言ったり、自分の子供が病気だと偽る状態です。
この状態が悪化すると作為的に事実を作り出してしまいます。
自分の体を傷つける、または子供の体調が悪くなるように仕向けるなどです。
自分が病気だと偽るタイプはミュンヒハウゼン症候群、自分の子供など大切な人が病気だと偽るタイプを代理ミュンヒハウゼン症候群に該当する場合もあります。
演技性パーソナリティ障害
自分を実際よりもよく見せるための嘘をつく場合は、演技性パーソナリティ障害の可能性があります。
有名人や権力者と知り合いであると嘘をつき、他人に対して自分は価値のある人間だという感じさせようとしたり、自分に関心を向けるような嘘をつくことが多いです。
妄想性パーソナリティ障害
根拠のないことでも信じてしまい他人に伝えるので、結果的に嘘になってしまうタイプです。
本人は嘘をついている自覚はなく、自分の思い描いた妄想を現実と錯覚して嘘をついてしまいます。
有名人と親戚だと嘘をついた場合、演技性パーソナリティ障害の人は嘘と自覚しているのに対して、妄想性パーソナリティ障害の人は本当に親戚だと信じています。
反社会性パーソナリティ障害
自分が利益を得るため、欲求を満たすための嘘をつくタイプです。
例えば、金銭を得る場合に嘘をつく詐欺師や異性と性行為がしたいために嘘をつく人などです。
他人が金銭的な損失を負ったり、心理的なダメージをうけることが多いため、反社会性パーソナリティ障害の人は犯罪を犯していることも多いと言えます。
嘘を止めるためのカウンセリング
AXIAでは、年間に何件も虚言癖の相談依頼が入ってきます。
嘘をついていることに罪悪感や戸惑い化があり、嘘を止めたいと思っている人も多いのでしょう。
虚言癖を直すには自分を偽らない時間が必要
虚言癖を直したいのであれば、自分を偽ることなく話ができる相手がいて、その人に偽りのない自分を話す時間が必要です。
普段は嘘をつきすぎて、その嘘で塗り固めた周囲からの自分の印象が壊れるのが怖くてまた嘘をついてしまうという繰り返しになっているので、嘘の中でしか生きられなくなっています。
そのままでは嘘を止めることはできません。
自分の現状、心境、自分がどのように育ってきたかなど、自分と向き合って等身大の自分を把握する必要があるのです。
そうしなければ、本当の自分をどう表現していいのかがわからないので、他人と本来の自分のままで関わることが出来ません。
カウンセリングで嘘をつく必要を無くしていく
カウンセリングは、嘘偽りのない自分のことを他人に話すことで自分と向き合う時間です。
これまでたくさんの嘘をついてきた分、カウンセリングを重ねて本当に自分のままで過ごす時間を沢山経験することが虚言癖を直す方法です。
今の自分を受け入れることができるようになること、嘘をつくことで得られると思っているメリットは自分には必要ないと理解することが嘘を止めるためには必要で、カウンセリングはそれらを達成するために進めていきます。
カウンセリングを受ける中で、実生活の中で嘘が減っていくメリットを感じてもらうことも嘘の必要性を減らしていく重要な家庭です。
虚言壁を止めるならカウンセリングを活用して下さい。
重要! 虚を止めるための最初の壁
虚言癖を直したいということでカウンセリングを予約している人は、当日何の連絡もなくキャンセルする人も多いという特徴があります。
嘘を止めるための最初の壁は、止めるために必要なカウンセリングを始められないというものです。
おそらく、カウンセリングを予約してきた時は、本当に虚言癖を直したいと思っていたはずですが、予約した当日になるとカウンセリングを受けることが億劫に感じたり、本当にカウンセリングを受けることで虚言癖が直るのかと疑いや不安が生まれて無断キャンセルをしてしまうのかなと感じています。
カウンセリングを受けるというのは、カウンセラーが虚言癖を直す専門知識を持ってサポートをしますが、カウンセリングに通い続けることや自分のことを嘘偽りなく話し続けるという努力は、ご本人がしなければなりません。
その努力は、これまで嘘によって人生を取り繕ってきた分、その人にとっては大変なことかもしれませんが、カウンセリングに通うという小さな努力から自分が変わっていくととらえてほしいと思うのです。
嘘ではなく、努力という自分に良い癖を身に着けてくれる取り組みを継続することが、自尊心を高めることにもなり、嘘をつく必要性をなくしていくことにもつながるのです。
せっかく予約をしたのなら、まずはカウンセリングから初めて見ませんか?