劣等感を刺激されると他人に攻撃的になる理由
他人から攻撃的な態度を取られたり、批判を受けた時に、相手は自分のことを嫉妬しているなと感じたことはありませんか。
勉強やスポーツで結果を出していたり、仕事を頑張ってお金を稼いだり、有名になったりしたことがある人など、何かで成果を出している人ほどこれまでの人生で他人から嫉妬される機会は多いのではないかと思います。
自分の嫉妬心にも劣等感にも気づいていない人
カウンセリングやコーチングでは、アスリートや経営者、その他仕事や人生が順調な人、自分の目的を持って頑張っている人から、他人から変に敵対心を向けられて困っているという話を聴くことがあります。
ライバル関係にある人同士がお互いに向けている敵対心なら違和感はないと思うのですが、相手から一方的に敵対心を向けられて攻撃的な言動をされると戸惑うし、不快感を感じるでしょう。
では、なぜ一方的に敵対心を向けられるのかというと何かで結果を出している人が、他人の劣等感を刺激した結果として相手から嫉妬心を向けられているからです。
劣等感があり自分は不遇だと思っている人は、地位や名声、財産、人望など、その人が欲しているものを持っていると感じる相手に対してうらやましいと思った時、うらやましいという気持ちを素直に表現せずに反抗や否定という形で攻撃してしまいます。
この攻撃は、直接的なものもあれば間接的なものもあり、相手に対して自分を認めろという意図や引きずり下そうという意図が含まれていることもあります。
このようなことをする人は、自分の劣等感を相手を攻撃することで癒そうとしているのですが、自分の中で相手を攻撃する大義名分を作っているので、自分の嫉妬心、劣等感に気づいていないことが多いです。
うらやましいと言えない人は他人を攻撃する
本当はうらやましいという本心を素直に伝えて、うらやましいと思っている相手の姿が自分が求めている状態だと言うことができれば良いのですが、それを自覚できていなかったり、認めることができていない人は、嫉妬心を大義名分を作って相手への批判に変えて攻撃してきます。
このような形でいきなり敵対心を向けられてしまった人は、その理由がわからずに困惑したり、言葉にしがたいストレスを感じます。
それは、自分が目的や自分の責任を意識して日々を過ごしている中で、いきなり意識をしていない方向から攻撃を受けるのだから当然です。
実生活の中で身近な人から攻撃的な態度を取られたり、SNSで批判をされ、それらの行動が相手の劣等感から生じているものだったともしても、自分に非があるのではないかと悩んでしまう人もいます。
また自分に問題があるわけではないと思っていてもストレスから心身のバランスを崩してしまう人もいます。
自分への攻撃は嫉妬心、相手の劣等感の問題と認識する
他人から攻撃的な言動を受けて悩んでいる人は、それは相手が自分を嫉妬しているのではないか、そしてその嫉妬心は相手の持っている劣等感が原因ではないかと考えるようにしてみて下さい。
このように考えて精神的に相手より上の位置に自分を置くことができたら、相手の攻撃的な言動が弱く感じれるようになります。
他人から攻撃的な言動を受けている人の中でも、アスリート、結果を出しているビジネスマンや経営者などは自分が他人から嫉妬される状態にあることも自覚できているので、相手の言動が嫉妬心が来るものだと認識している人は多いと感じます。
ただ、自分の有能さや容姿の良さなどにあまり自覚のない人は、他人から嫉妬される存在だと思っていないので攻撃的な言動を受けることで戸惑う人が多いように思います。
カウンセリングには、自分の有能さや容姿の良さなどにあまり自覚が無くて他人から嫉妬され攻撃を受けている人が、人間関係に悩んでいるということで相談に来られることが多いですが、その際には話をよく聴くと攻撃をしてきている相手が嫉妬心を持っているということがわかるので、「相手があなたを見て、勝手に劣等感を刺激されて嫉妬して攻撃してきている」と状況を説明します。
自分が攻撃を受けている理由が相手からの嫉妬であり、その理由が相手が持っている劣等感だとわかると、自分に問題があるわけではないと思えるので気持ちが少し軽くなるようです。
世の中には向き合う必要のない相手もいる
劣等感を刺激されて嫉妬してしまうこと自体は感情の働きなので仕方がありません。
ただ、その時に自分が抱いている感情は嫉妬だと気付き、そのエネルギーを努力に変えて自分を目指している状態に近づけていく人は人生が良い方向に向かって行くでしょう。
そんな人であれば、自分に嫉妬心を持っていても不快に感じることはなく、むしろ相手の努力を認めて尊敬の念を持つこともできると思います。
しかし、嫉妬心を攻撃に変えて相手の自尊心にダメージを与え、相手の足を引っ張ろうとしてくる人は、その言動に不快感を感じるでしょう。
ただ、そんな相手の言動で自分の気持ちが不安定になってしまっては相手の思うつぼです。
人生の中で嫉妬心を攻撃に変えてくる人に出会ったら、向き合う必要のない人と考えて相手をしないことが得策です。
そうしないと理不尽な攻撃によってダメージを受けて、自分の生活に支障が出てしまうので上手く受け流しましょう。
もし、頭ではわかっていても上手くできないという人は、カウンセラーに相談するのも1つの手です。
カウンセリングは、自分の心を守るために利用できる手段の1つなので、心身の調子が本当に悪くなってしまう前に活用して頂きたいと思います。