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2023/04/07
公認心理師

公認心理師の専門性の中にある可能性と社会貢献

公認心理師が活躍している環境と可能性

弊社は公認心理師が在籍していますが、一般的に公認心理師とはどのような場所で働いているのか、各現場で求められていることやそこから見えてくる可能性について、働く環境、雇用条件、開業、他職種との連携という観点からの私見をまとめています。
この記事は、公認し李氏として活躍していきたい方、そして心理職との連携の必要性を感じておられる他職種の方に読んで頂ければと思っております。

公認心理師は、心理支援のための知識と技術を活かして社会の幅広い分野で活躍する資格として誕生した国家資格ですが、実際にはどのような環境が活躍の場となるのでしょうか。

主には、下記のような環境で公認心理師は求められています。

公認心理師の主な職場
  • 精神科、メンタルクリニックなどの医療現場
  • 介護施設、児童相談所などの各種福祉施設
  • スクルールカウンセラーとして教育の現場
  • 裁判所や刑務所などの司法関係
  • 一般企業や職業安定所などの産業関係
  • 独立開業による民間施設
これまで、上記のような環境で活躍していた心理職は主に臨床心理士でした。
 特に医療と教育の分野で働く心理職はほぼ臨床心理士だったと思います。
現在は臨床心理士の数を公認心理師の数が上回っていて、今後も公認心理師は毎年増え続ける中で、どのように活躍の場が広がっていくかという点が課題になるでしょう。

公認心理師と雇用条件

公認心理師も他の資格所有者と同じように様々な雇用形態での募集があります。
正社員、契約社員、アルバイト、業務委託契約など。
公認心理師が誕生する前からでも、臨床心理士の求人は正社員として1つの職場だけで十分な報酬を得る勤務条件は少なく、業務委託契約でカウンセリングルームに所属して、スクールカウンセラーを複数の学校で掛け持ちしている人が多いというのが現状でした。

独立開業と会社経営

公認心理師の中には、カウンセリングルームを開業したり、会社を立ち上げてカウンセリングやその他心理支援の業務を複合的に行う人もいます。
このようなケースは、資格を持っていることや心理支援の業務が行えることに加えて、経営ノウハウとセンスが求められますが、公認心理師としての働くために選べる選択肢の1つだと思います。
心理職に国家資格ができたことによって、アイデア次第では以前よりも開業、会社設立はしやすくなっている部分もあると感じています。

公認心理師に求められる他職種との連携

公認心理師が活躍できる環境が増えるには、各分野で力を発揮して貢献できる専門性の高い公認心理師が増えていく必要があるはずです。
これまで臨床心理士が活躍していた医療や教育の分野、福祉、司法、産業の分野でも、まだまだ心理職が力を発揮できる余地はあるのではないかと思うのです。

公認心理師が専門性を高めて各分野に貢献することで、様々な分野で公認心理師が関わることの有効性を示していくことが公認心理師の価値を理解してもらう近道です。
特に心理職として経験を積んでいて公認心理師となった人は、これまでの実績を活かして専門性を確立していくことが自分自身、そして未来の公認心理師のために活躍できる環境を増やすことが求められているのではないかと感じています。

新しい資格だからこそ必要な意識

公認心理師は、新しくできた国家資格であるため最初の5年間は移行措置として幅広い分野で心理支援をしてきた人材が受験できる受験制度が採用されていました。
何を持って心理支援を考えるかという点でも解釈に幅の広さがあったため、カウンセリングや心理検査などを本格的に行った経験のない人が資格を所得している現実があります。

私は上記のような現状は、臨床心理士やその他の心理職の資格を持って心理相談を仕事をしてきて公認心理師になった人、医療、教育、福祉、司法、産業などの分野で積んだ経験を土台に公認心理師になった人など、それぞれが自分が持っている経験、持っていない経験を真摯に受け止めて活動していくことが求められていると考えています。
公認心理師は、保健医療、福祉、教育、司法、産業など多職種と連携すること、地域との連携を取り非支援者に寄り添った支援を提供することが期待されていますが、他職種との連携以前の問題として公認心理師同士がお互いの違いを認め合い連携できる体制があってこそ、他職種との連携が成り立っていくと思います。
他職種と連携をして公認心理師が社会で実績を残していくためには、資格所有者はどのような意識を持っているかが問われるのではないでしょうか。

公認心理師に期待できる他職種への支援

弊社は公認心理師を取得する前から上記の5領域と連携して仕事を行うことがありました。
その内容は、カウンセリング、メンタルヘルス、人材育成、心理職の立場からの知見や情報の提供などです。
公認心理師として活動していくこれからは、さらに多職種と連携をしていく機会が増えることを意識して仕事に取り組んでいます。

今後、多くの公認心理師が様々な形で他職種の専門家と連携して実績を積んでいくことになると思いますが、私の経験から、公認心理師に求められる業務内容を多職種との連携という視点から説明します。
各職種の中に心理職との連携の必要性を感じておられる方は決して少なくないと思いますので、具体的に公認心理師には何ができるのかを知って頂ければと思います。

心理的支援を必要とする人や環境の観察と分析

多職種から仕事の連携を求められると、その職場で働く人の観察や分析はもちろん、組織自体の観察や分析を行うことが必要となります。
個人も組織も、人の心理によって健康状態、行動の量や質などが大きく違ってきます。
そのため、個人に対しても組織に対しても心理的な視点からどのようにアプローチをしていくことが必要か、個人や組織がどのように変わることが望ましいのかを把握した上で情報を提供できる力が公認心理師には求められます。

実務経験が豊かな公認心理師ほど、個人に対しても組織に対しても目に映っている現象だけを観察するのではなく、目に見えない心理状態や過去の出来事などを想像した上で分析をする意識を持っています。
そのため、心理職ならではの視点からの有益な情報提供を行うことも可能です。

心理的支援を必要とする人や環境へのアプローチ

公認心理師は、多職種と連携をして個人を支援する場合、主にカウンセリングによる心理的なケア、成長の促進などを行うことが求められます。
連携をする分野によってどのような方のカウンセリングをするかに違いはありますが、その分野で求められる支援を理解して要支援者にアプローチできる力が求められます。

実際に心理職が要支援者のカウンセリングをすることにより、多職種からその人に対してどのようなアプローチをすべきか、またはどのような関わり方は避けるべきか、その人が何を求めているのかなどがわかり、その分野でのより良い支援につながることがあります。
また、心理的な知見を持つ専門家として個人だけでなく、組織や環境に対する観察と分析、そしてアプローチができるようになることが公認心理師の仕事の可能性を広げることになると考えております。

組織や環境に対する支援を行うには、複数の人の心理と相互作用の観察と分析が必要となりますが、心理的な問題を明らかにして解決を支援することで組織や環境が抱える問題の解決が進むこともあります。

心理支援を必要とする人の関係者へのアプローチ

公認心理師は、心理支援を必要とする人の関係者に対して助言、指導などを行うことも求められます。
多職種との連携の中では、その分野の専門家に対して心理的な知見を基にした助言を行うという形で、支援を必要とする人に有益な支援が行われるようアプローチをします。

このようなアプローチのことをコンサルテーションといいます。
コンサルテーションは、一方の専門化が抱える職業上の課題や問題を別の分野の専門家が援助することです。
公認心理師に求められる多職種との連携においては、いかに質の高いコンサルテーションができるかという点が公認心理師の存在意義につながると考えています。

心理的な知識、経験などの情報提供

公認心理師は、個人のカウンセリング、職場のメンタルヘルス対策や研修の中で心理職として情報提供を行うことが求められます。
例えば、多職種の専門家を集めて公認心理師が講師として研修を行うなどは、一度の多くの専門家に心理的な知識を学んで頂く機会となり、それが多職種の専門家の仕事の質を向上させることがあります。

多職種との連携は、要支援者に対する支援を行うに上で連携するだけでなく、それぞれの分野の専門家が講師となって研修会を行うこともお互いの知識を高め合うという連携になると言えます。
これまでに医師、看護師、理学療法士、柔道整復師、教師、保険外交員、市役所の労働組合、企業の管理職や新入社員など、1つの職種の人が集まる研修会で講師を務めた経験がありますが、要支援者への支援の質を向上させたい、組織内のコミュニケーションの円滑化や心理的安全性の向上などを求めておられるところには公認心理師の力を役立てることができると感じています。

他職種との連携の中で力を発揮できる公認心理師とは

連携という形で求められる公認心理師になるには、心理職としての力だけでなく、探求心や想像力、コミュニケーション能力など、他職種との間にある溝を埋める力が必要となります。
ただ自分の分野の専門性を伝えることが連携なのではなく、他職種の仕事の中にどのような形で心理的な知見や技術を提供することが支援になるのかを想像してアプローチすることで連携の質が高まると思うのです。
また、他職種の専門家に対する敬意を持ち、その職種ならではの仕事の難しさややりがい等を理解して接するということも良い関係を築くために必要な要素です。
連携は各専門家の協力が不可欠なので、自分の専門性だけに価値がある、他の専門家よりも存在意義が大きいなどと考えてしまうと良い協力関係が築けないので、他職種の仕事について学び、理解するという意識が必要です。

連携においてコミュニケーションが課題になる公認心理師も少なくないと感じています。
心理職に就く人は、繊細で1対1のコミュニケーションはある程度できるけど、複数人でのコミュニケーションを苦手に感じている人も多いため、他職種との連携ではその点で苦労する人も出てくるでしょう。
公認心理師が、他職種との連携において信頼され、力を発揮するためにはコミュニケーション能力の向上は必須です。
仕事で連携できる公認心理師を探しておられる方は、探求心や想像力、コミュニケーション能力という点を意識して頂ければと思います。
心理的な知見をもとに助言やアプローチができる専門家は、様々な分野で必要であると多くの人が感じていると思うので、いくつかの評価基準を持って依頼する専門家を探して頂けると信頼関係が築ける人が見つかる可能性が上がるでしょう。





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