悩みの解決するまでどれくらいの期間が必要なのか

カウンセリングを受けるにあたって、自分の悩みや問題が解決するまでに必要な期間、カウンセリングに通う回数はどれくらいかというのは気になる点だと思います。
カウンセラーに相談するには費用が掛かることなので、その点が気になるとは当然のことでしょう。
このページでは、カウンセリングに必要な回数、期間について説明したいと思います。

心の悩みとカウンセリングの回数

カウンセリングを受ける目的は、悩みの解決であることが多いので、悩みが解決することでカウンセリングが終了となりますが、悩みには解決のための時間が短くて済むものもあれば、長期的に取り組む必要のあるものがあります。
これまでも1回のカウンセリングで解決に至ったケースもあれば、解決まで数年掛るケースもあります。

心の悩みが解決する仕組み

では、必要なカウンセリングの回数について理解して頂くために、心の悩みが解決する仕組みについて説明いたします。

心の病、人間関係、仕事、行動改善、その他の問題などの心の悩みは、以下の要素のいずれかが解決に関係しています。
自分の体質、性格、ストレス、環境、成育歴、心の癖、行動。

カウンセリングは、話を聴きながら悩みの解決のためにどのような要素に対してアプローチをするかを見極めます。
その要素の中には、変化に時間の掛るものもあれば、短時間で済むものもあります。
またはタイミングを見極めてアプローチをしなければならないものもあります。
そのため、悩みの解決に必要な要素が何かによって、カウンセリングの回数、期間には違いが出ます。

また、悩みによって解決に必要な要素の数が違います。
1つなのか、もしくは5つほどあるのかによって、どうしても解決に必要な時間が変わります。
カウンセリングを受けようか検討中の方は、どの相談も時間が掛かるという認識ではなく、悩みの種類と解決に必要な要素にとって回数、期間が違うとご理解下さい。

相談内容と解決に要する時間

相談内容によってカウンセリングの回数、期間には違いがありますが、同じうつ病の相談だとしても、早く解決する人もいれば、時間が掛かる人もいます。
それは、人間の心の状態は体質やストレスと関係が深く、人によってストレス耐性、ストレスが生じる環境、ストレスの種類が違うので、ストレスによって心身に表れている症状が同じでも、解決に掛る時間は違ってくるのです。

それは人間関係や仕事の悩みでも同様で、相談内容の種類よりも悩みを構成している要素の方がカウンセリングの回数、期間に影響が強いので、相談内容だけを聴いて解決に掛る時間をお答えすることが難しいのです。

ただ、どのような相談内容が時間が掛かりやすいのか、反対に短い時間で解決できる可能性が高いのか、その特徴について説明したいと思います。

時間が掛かる相談内容

カウンセリングでの解決に時間が掛かる相談内容は、生活習慣が体調に影響しているケース、依存症で問題行動を継続してきた期間が長いケースや依存性が強いケース、幼少期からの親子関係で無意識の心の働きが苦しみの要因になっているケース、マインドコントロールに合っているケースなどです。

上記のような相談は時間が掛かるし、安全性を考えても時間を掛けて少しずつ解決に向かっていくことが望ましい相談内容だと言えます。
心の悩みは、安易に短期解決を目指すものではありません。
短期解決ばかりを目指そうとするのは、カウンセラーのエゴであり危険な行為であると言えます。

短期解決の可能性がある相談内容

短い期間で解決する可能性のある相談内容は、ストレス原因が明確でストレス原因への対処が可能なケース、悩みは抱えているがクライエントが安定した自尊心を持っているケース、話を聴いてもらいたいという思いよりアドバイスが欲しいというケース、などです。

心の状態は目に見えないので、カウンセラーがうかつに短期解決を目指すことは望ましいとは言えませんが、クライエントのカウンセリングを受ける目的が明確であったり、カウンセラーから提供した知識やアドバイスへのクライエントの理解が速い場合などは短い期間でカウンセリングが終わることもあります。

カウンセリングで重視すべきは安全性

短期間で悩みを解決したいと思う人が多いかもしれませんが、カウンセラーを選ぶ際には過度に短期解決ができるとアピールしているカウンセラーよりも、解決までの期間にはあまり触れていないカウンセラーに相談することをお勧めします。
カウンセラーは、実績を積んでいくことで同じ相談内容でも臨床経験が少ない頃よりも臨床経験を積んだ後の方が悩みの解決までの時間が短くなることはあります。
しかし、結果的に短期解決ができる要因は、カウンセラーの実力だけでなくクライエントの心身の状態や性格傾向、生活環境なども含まれるので、カウンセラーが自分の実力を過信しないことが大切です。

カウンセリングは安全性が優先されるべき

誠実にカウンセリングを行っているカウンセラーであれば、少しでも早く悩みを解決してあげたいという思いは持っていますが、その思いにとらわれずによく話を聴いてカウンセリングを進めて行きます。
カウンセリングは、クライエントのための時間でありカウンセラーが自分の力試しをして自己満足をするための時間ではありません。

そのため、実力のあるカウンセラーにとっては、悩みの解決にどれくらい時間が掛かるのかという点ではなく、どうすれば安全かつ適切にカウンセリングを進めることができるのかという点が重要になるのです。

話を良く聴く理由は安全性を保って解決を目指すため

悩みの解決は速くできるに越したことはないのですが、相談内容によっては時間が掛かることもあります。
またクライエントの精神状態、悩みを抱えていた期間、生活環境などによって悩みの解決までの時間に違いがあります。
カウンセラーがクライエントの話をよく聴くのは、もちろん悩みを解決に導くためですが、安全性を保ちながらカウンセリングを進めていくためでもあります。

安全性が軽視されたカウンセリングでは、カウンセラーに相談したことによって心の負荷が大きくなり、余計に調子が悪くなってしまうことがあります。
自分の力を過信したカウンセラーが短期解決を目指すとカウンセリングの安全性は損なわれてしまいますが、同じ知識と技術を持っているカウンセラーが安全性を重視してカウンセリングをすれば、少しずつでも悩みは解決に向かって行くでしょう。

カウンセリングを受けることを検討されている方は、安全性を保ってカウンセリングをしてくれるカウンセラーを探して下さい。
話をよく聴いてくれる、説明がわかりやすい、良いタイミングでアドバイスをくれるというカウンセラーは、安全かつ適切にカウンセリングを進めてくれるので、そんなカウンセラーに相談して欲しいと思います。