話を聴く上で大切な姿勢

カウンセリングのおいてカウンセラーの話を聴く姿勢は重要です。
それはクライエントに安心してリラックスをして話をしてもらうため、自分の話を聴いてもらっていると感じてもらうため、またこの人と話したいと思ってもらうためです。

カウンセリングは、話を聴くという行為がクライエントの悩みの解決に繋がらなければなりません。
そのため、カウンセラーの態度が信頼できるものであることが望ましいのです。
下記では、カウンセリングにおいてカウンセラーの態度に関わる4つの要素の説明をしています。

話を聴こうとする意志の伝わる姿勢

まずは、見た目から話を聴こうという意思が伝わらなければなりません。
視線、体をしっかりと相手に向けること。
その上、カウンセラー自身がリラックスしていて、クライエントがカウンセラーをみて緊張しないように配慮した姿勢であることが望ましいと言えます。
最初から腕組みをしている、椅子にだらしなくもたれているという状態ではなく、今から話を聴かせて下さいという気持ちが伝わる姿勢をとっておくことが大切です。

にこやかで、穏やかな表情

表情もクライエントに安心して話をしてもらうために重要な要素です。
どんな表情を作るかを強く意識するよりも、顔にしわを寄せないように気を付けて、軽く口角を上げる程度の意識だと不自然にならなくていいかと思います。

人間は、言葉以上に相手の表情から得ている情報は多く、話した内容よりも姿勢や表情が相手の中の自分の印象になってしまうので、表情で安心感を与えることがカウンセリングをスムーズに進めるため要因となります。

うなずき

うなづきは、相手の話への同意、納得を表しますが、結構大げさにしても違和感はないので、日常会話よりも少し大げさにうなづいてみると丁度いいと感じます。
また、うなづきは、会話のテンポを上げることもできるので、相手が話を聴いてもらってスッキリしたと思いやすいと言えます。

相づち(声の質も気をつける)

相づちもうなづきと一緒で、大げさなくらいで十分です。
効果も概ねうなづきと同じですが、相づちの方がより強い反応なので、うなづきと使い分けて相手の話を盛り上げたり、心の内を話しやすい雰囲気を作るために活用できます。

話を聴く姿勢が生み出すカウンセリングの効果

カウンセラーは、カウンセリングの時の自分の話を聴く姿勢にこだわりを持つことが必要だと思っています。
態度が相手に与える印象は大きいので、クライエントに安心して話ができると感じて頂くために、安心感や頼りがいを感じてもらえる姿勢を意識することが大切です。

日常会話の中でも相手に心地よく会話をしてもらうためには態度を意識することが必要ですが、カウンセリングの場合は会話自体を楽しんでもらうだけでなく、悩みの解決、心の成長を目指すものであるため、より相手のために必要な態度とは何かを追求する必要があります。

話を聴く姿勢とクライエントの様子

カウンセラーの話を聴く姿勢が良いとクライエントは安心して話ができます。
そして、話しているうちにテンポが良くなり、たくさん話をしてくれます。
中には、もともと口数が少なく、話すテンポが遅い方もおられますが、その人なりにたくさん話せたと感じたり、話しやすかったと感じてもらえることもあります。

実際にカウンセリングの中であまりたくさん話さなかった人が、そのご家族には話がしやすくてたくさん話せたとカウンセリングの感想を言っているということも良くあります。

また、カウンセラーに話を聴く姿勢ができていることで、クライエントは感情を表現しやすくなります。
その感情は、誰かへの怒りや悲しみ、不安、喜びなどさまざまですが、感情を表現したことで心が軽くなるということもカウンセリングの大切な効果です。

話を聴く姿勢は、話をしているクライエントの様子に大きな影響を与えるので、カウンセラーとしては、話を聴く姿勢の質を追求する価値があると思います。