「自分には良いところがあると思えない」

「何か特別なことをしないと相手とは釣り合わない」

人と関わるときに「嫌われたくない」「飽きられたくない」と感じ、そのために相手が喜びそうなことを過度にしてしまうことはないでしょうか?

男性なら金銭やプレゼント、女性なら身体の関係を、相手を繋ぎ止めるための手段にするケースは少なくありません。

わかりやすいメリットを差し出すことで、相手にとって自分は価値のある存在だと位置づけようとするのです。

しかし、この方法では不安や不満が募ることにしかならず、気付かないうちに自分を精神的に追い込むことになっていきます。

この記事では、なぜこのような方法を取るのかの心理的メカニズムや、健全な人間関係を築いていくために必要なプロセスを紹介したいと思います。

「メリット」を介して繋がることのリスク

お金や性的関係を介した人間関係は「対等で安全な交流」から「条件付きの取引」へと変わってしまいます。

対等な関係の喪失

メリットを介した関係は、短期的・一時的には気持ちが満たされるかもしれません。

しかし、一人になった時やふと我に返った時に不安や傷つきが頭をよぎってしまいます。

常に「相手が一緒にいてくれている」という感覚で自分の立場が下、対等の関係が築けない状態になっているのです。

見捨てられる恐怖

「条件付きの取引」となってしまった以上、その条件が継続できないとなると関係性にほころびが生じます。

また、相手がより条件の良い他者を見つけた瞬間に関係性が終わることもあり得る。

これらが不安の種となり、結果として束縛や相手を試す行動、過度に従順になるなどに繋がり、関係の終わりを早めてしまいます。

本当の繋がりが見えなくなる

相手が自分の人間性に惹かれているのか、単にメリットを得たいだけなのかを判別することが難しくなります。

「金銭的な援助がなければ自分なんて見てもらえないのではないか」

「会おうと誘われたが性行為したいだけなのではないか」

その不安が相手を試す行動に繋がり、お互いを疲弊させていく。

さらに、「何を言われても信じられない」「どうせメリットなしの自分は誰からも受け入れられない」という感覚を生んでしまいます。

ありのままの自分では愛されないという思い込み

メリットを差し出す関係で安心感を得る人は自己否定的な考えを持っています。

なぜそう思うようになったのかは、幼少期の親子関係が大きく影響していることは少なくありません。

「無条件の愛」を受け取る経験の不足

本来、子どもは「成績が良いから」「親の言うことを聞くから」といった理由がなくとも愛され、受け入れられる経験(無条件の愛)を必要とします。

その経験が「自分はここにいていいんだ」「ありのままで価値があるんだ」という自己肯定感を育みます。

「条件付きの愛」を感じていた過去

しかし、「何かができたときだけ褒め、出来なかったときは突き放す」や「親の期待に応えている時だけ機嫌が良い」といった環境で育つと、子どもは無意識に「ありのままの自分では価値がなく、相手が望むものを提供しなければ見捨てられる」と思ってしまいます。

「役割」を感じ取る癖

自分がどうしたいかよりも、どうするのがこの場に望ましいか、どんな役割を求められているのかを考えて行動する癖がついているケースもしばしばあります。

このように「親を助ける良い子」「手のかからない子」「期待に応える優秀な子」として振る舞うことで居場所を確保してきた経験は、大人になってからの恋愛や人間関係にもその傾向が見られます。

こうした心理的な背景を知り、当時のあなたが親子/家族関係を築くのに必要だった癖や防衛を見直すことが必要です。

自分に価値があると思えるようになるために必要なこと

価値を見いだそうとすればするほど「自分には価値がない」と思ってしまう

「自分には価値がない」という感覚が根底にあるため、他者からの反応(感謝の言葉や求めてくる行動)によって自分に価値を見いだそうとします。

しかし、いくら外側から賞賛や関心を得ても、一時的な安心感しか得られず、自分に価値があると思うことはできません。

「こんなことでもしないと自分には価値がない」と感じ、負のループに陥ってしまうだけです。

根底にある考え方の癖を変えることができれば自分に価値を感じられる

これらは単なる性格の問題ではなく、過去に形成された「考え方の癖」の問題であるからこそ、意志や気合で変えていくことは非常に困難です。

カウンセリングという安全な場でカウンセラーと一緒に自身と向き合い、「考え方の癖」を根本から変えていく必要があります。

カウンセリングでできること

カウンセリングはまずは今の苦しみや迷いをお聞きし、一つ一つ整理していきます。

まずは自分と向き合うための基盤となる、あなた自身のメンタルケアのサポートをいたします。

そして、以下のプロセスを中心に取り組み改善へと向けていきます。

認知の歪みへの気づきと修正

「メリットを与えなければ自分は相手にされない」

こういった思考がいつ、どのような経験から形成されたのかを整理していきます。

自身の過去の思いを話すことで、その時の自分を客観視し、受け入れていくことも必要です。

その客観的な視点から自分の思考の偏りに気づくことが認知の歪みを修正する第一歩です。

自分と相手の境界線の構築

カウンセリングでは、対人関係における自分と他人の「境界線」の引き方を学習します。

a)相手の要求に全て応じずとも関係が崩壊しないことの確認

相手の要望を自分が叶えないといけないわけではない。

自手の要望と自分の要望は別物であるということを再認識していきます。

b)自分の感情と相手の感情を切り離して考えるスキルの習得

自分と一緒にいることを相手がどう捉えるかは相手次第。

自分からメリットを差し出し、相手をコントロールしようとしない。

これらを通じて、相手を試したり束縛したくなる不安や、相手の感情を自分に向けるためコントロールしようとする焦りを低減させ、対等なコミュニケーションへと変えていきます。

感情コントロール力をつける

不安や孤独感に耐えられなくなった際、即座に金銭や性を介した繋がりに逃げるのは、感情の調整を他者に委ねている状態です。

相手へ金銭や性的な関係などのメリットを提供し、求められることで安心させてもらおうとしています。

カウンセリングでは、不安を自分自身で収めるためのトレーニングをしていきます。

外側からの反応に頼らずとも、自分の内側からの感情コントロールによって心を安定させる力を養っていくのです。

成功体験の共有

日々の成功体験に目を向けること、新たな成功体験を重ねることは自信につながります。

カウンセリングでは成功体験を共有し、「何故か分からないけどできた」といった曖昧なものを言語化していきます。

そうすることによって成功体験を自分の中に落とし込むことができ、今後上手くいかないことがあってもその際に自分で対応できるという感覚を掴みやすくなるのです。

最後に

今のあなたが「自分には何もメリットがない」と感じているのは、「メリット以外の評価基準を失っている」からです。

カウンセリングを受けることは、一時的な安心をメリットの提供(金銭や身体)で得るのをやめ、長期的な「自分への信頼」という資産を築くための投資となります。

自己犠牲的な繋がりを繰り返す前に、カウンセリングで自身のつらさや考え方の癖と向き合い、その方向を修正し「何を持っていないか」ではなく「どう生きるか」に焦点を移すことが大切です。

貢いだり身体を許したりして対等の関係を築けないことに悩まれてる方は一度ご相談ください。