性犯罪は後悔と反省だけでは止められない
性犯罪は、犯罪であると同時に依存症です。
この事実を受け入れるところから、性犯罪という問題行動の改善が始まります。
依存症は、簡単な表現で説明すると『わかっているけどやめられない行動』のことです。
逮捕されたことで自分の行いを後悔し、反省したとしても再犯をしてしまう人が多いのは、依存症だからです。
性犯罪加害者は、そもそも性犯罪はやってはいけないことだとわかっている状態で最初の犯行をしています。
性犯罪がやってはいけないことだとわかって最初の犯行を行うことができているので、逮捕されて後悔と反省をしてやってはいけないことだという認識が強まっても過ちを繰り返すのです。
例えば、過去に性犯罪を犯して逮捕され、その後反省してから10年以上再犯をすることなく生活していた人が、いくつかの要因が重なった結果再犯をしたということでカウンセリングに来られるというケースも何件もあります。
再犯をしてからカウンセリングを受けている
性犯罪を止めるためにカウンセリングに来られている方の多くは、2度目、もしくは3度目の逮捕されています。
本来なら、1度目の逮捕の後にカウンセリングを受けて改善していく必要があるのですが、後悔をしているし、反省しているのでもう性犯罪はしないと思ってカウンセリングを受けるという選択肢を持たないのです。
しかし、性犯罪は依存症であるため、正しい改善の取り組みをしなければ、脳に定着した性犯罪を引き起こしてしまう回路が刺激された時、過去の逮捕の
ことなどはなかったかのように衝動を行動化してしまうのです。
そんなことにならないように性犯罪を犯した人は、逮捕され釈放されたらすぐにカウンセリングを受けるべきです。
本来なら、逮捕されなくても1度性犯罪を犯した時点で、自分は普通ではないということを認め、カウンセリングを受けて頂きたいと思っています。
性犯罪を止めるためのステップ
私達は多くの性犯罪加害者の相談に対応してきた中で、性犯罪を止めるためには下記のようなステップで取り組む必要があると感じています。
依存症であることを認める
依存症のカウンセリングは、他の相談のカウンセリングとは少し違いがあります。
話を聴くという点は同じですが、依存症の場合は自分が依存症であるということをしっかりと自覚してもらう必要があるので、依存症に関する詳しい説明や話を聴いた上でのカウンセラーの所見をしっかりとお伝えします。
カウンセリングを止めないことが大切
依存症の人は、自分の行動によって自分自身の状況が悪くなっていたり、家族や他人に迷惑を掛けているので、そのことと向き合うことが辛くなりカウンセリングを勝手にやめてしまう人も少なくありません。
そして、しっかりと改善が進んでいない状態であるため、依存症が再発してしまう人も多いのです。
性犯罪の場合、他の依存症の人よりはカウンセリングを複数回受ける人は多いのですが、自分が犯罪者であるということを認めて話すことが辛いということ、自分は後悔も反省もしているから大丈夫だという思い込みが影響して10回以内にカウンセリングを中断してしまう人は多いのです。
止め続けるためのカウンセリング
依存症の場合、カウンセリングは依存行為を止め続けるための手段です。
依存症であるということは、脳に依存行動を起こしてしまう回路を持ったまま生きていくということです。
そのため、脳に回路はあっても再発させないためにカウンセリングが必要なのです。
性犯罪を止め続けるためには、カウンセリングを受けること、そして自分の過ちを心の底から認めることが必要です。
日本で有数の性犯罪加害者のカウンセリング実績
弊社は、2010年くらいから性犯罪抑止のためのカウンセリングに力を入れています。
当時は、性犯罪のカウンセリングを断るカウンセラーが多く、全国各地から性犯罪加害者やその家族からの相談が寄せられていました。
現在でも全国各地から相談の依頼が入ります。
おそらくですが性犯罪のカウンセリングでは、日本でも指折りの実績があるでしょう。
多くの性犯罪者とカウンセリングを通じて関わってきた中で、どのような人は改善の可能性が高く、どのような人は再犯の危険性が高いかもある程度判断
することができます。
そのため、カウンセリングでは、現在のクライエントがどのように変化することが性犯罪をしない状態になるのかというビジョンを持って対応しています。
ただ漠然と話を聴いていても性犯罪も他の依存症も改善することはありません。
カウンセラーが改善のビジョンを持って、性犯罪をしない人への変わるためのアドバイスを続けていく必要があります。
性犯罪を止めたいのならカウンセリングへ
このサイトを見ている人は、性犯罪加害者、もしくはその家族の方が多いですが、性犯罪を止めるためにはいち早くカウンセリングを受けて下さい。
逮捕されて警察の事情聴取が始まっている場合は、それと並行してカウンセリングも進めて下さい。
警察の聴取や裁判が終わってからと考えている人もおられますが、可能なら早い段階からカウンセリングを受けて、自分が性犯罪をした記憶が鮮明なうちに自分の行為を振り返って頂きたいと思います。
なぜなら、自分の行いを振り返り、自分の行為の心理的な問題点と行動の関係を自覚することが抑止力につながっていくからです。
カウンセリングを受けない人が再犯を繰り返しやすいのは、自分の行為に対して曖昧な認識のまま過ごしているからです。
話をすることは脳に自分の心理と行動の関係を自覚させるための行為でもあるので、カウンセリングを受けて自覚を強めて欲しいと思います。